編み付け解説
編み付けの糸の交差具合は、本にもよく書かれていますが、さすがに指の使い方までは解説してありません。実際に手早く、きれいに確実に仕上げるには編付器の調節に加え、指の動きも大切です。それでこのページでは、指の使い方を中心に解説しました。
編み付けるうえで大切な指は、右利きの場合ですと、右手親指、左手人差し指、左手小指の3本です。写真で分かりやすいように、右手親指に黒の印を付けましたので、参考にして下さい。
また、編み付けには『三つ編み』と『万力編み』があります。
三つ編みは、水中糸とつまみ糸を2本同時に編み付けで接続する場合や、目印のようにズリ落ちては困るような、締め付ける力を必要とする部分に使用します。
万力編みは、固着しては困るような、しばしば移動する部分に使用します。この万力編みで編めば、遊動式空中糸の編み込みが動かなくなって困るようなトラブルは無くなります。他のページの解説では、三つ編みと万力編みとを分けて記述してありますが、個人的に良いと思うほうの編み方を選んであります。
(このページの説明では、自作の編付器を使って解説していますので、各自お使いの編付器に適宜応用して下さい)<左:三つ編み><右:万力編み>
<編み付ける準備>
糸のセット方法は、三つ編みも万力編みも共通です。
- 編付器のバイスにレール糸を張り、『へ』の字になるようにセンターアーム(ステージ)の高さを調節します。
- 固結びで、編み付ける糸をレール糸に固定します。
- やや固めに結び、ステージの縁で結び目が止まるようにします。(手前の縁でも、向こう側の縁でのどちらでも良いです)
- ステージの拡大写真です。ステージの角度を調節できれば、一辺の縁だけでレール糸と接するようにします。
三つ編み編み付け
操作手順が分かりやすいように2色の糸を結んであるので、最初の結び目が大きくなっています
→手順の写真が小さくて見づらい方はこちら(三つ編みのみ)<ファイルサイズ約187KB>
- 編み付けの準備の要領で、編み付ける糸をセットします。写真のように、親指と人差し指で左右の糸をつまみます。
- 左手人差し指を糸の前に持ってきて、軽く添えます。
- 右の糸をつまんだままレール糸の下にくぐらせ、左手親指と人差し指で右の糸をつまみます。
- 右の糸を放し、そのまま左の糸をつまみに行きます。
- 右の糸は左手、左の糸は右手でつまんだ状態になります。
- 糸をつまんだまま、レール糸より上のほうへ手を持ってきます。(手順1の写真と、左右の糸の色が入れ替わっているのに注目して下さい)
写真では、編み付ける糸の角度が45度くらいになっていますが、直角にするほど締め付けが強い編み付けになります。
- 左の糸をつまんだまま、左手小指で右の糸を引っ掛けに行きます。
- 左手小指で右の糸を引っ掛けます。
- 右の糸を引っ掛けたら、左手を内側に回転させるように、左の糸を右手親指のところへ持っていきます。
- この時、左手小指の糸を放してしまわないように注意します。
- 左手の糸を右手でつまみ、左手小指の糸を親指と人差し指でつまみ直します。
- これで1回転分の編み付けが出来ました。(左右の糸の色が手順1と同じになっているのに注目して下さい)
- 手順2からの要領で、編み付けを繰り返します。
- 必要回数を編み付けたら、解けないように下の写真の要領で、固結びを2回繰り返して結んでおきます。
これで三つ編み編み付けの完成ですが、必要に応じて端糸を撚っておきます。
→端糸の処理についてはこちら
→手順の写真が小さくて見づらい方はこちら(三つ編みのみ)<ファイルサイズ約187KB>
万力編み付け
操作手順が分かりやすいように2色の糸を結んであるので、最初の結び目が大きくなっています
→手順の写真が小さくて見づらい方はこちら(万力編みのみ)<ファイルサイズ約171KB>
- 編み付けの準備の要領で、編み付ける糸をセットします。写真のように、親指と人差し指で左右の糸をつまみます。
- 左手人差し指を糸の前に持ってきて、軽く添えます。
- 右の糸をつまんだままレール糸の下にくぐらせ、左手親指と人差し指で右の糸をつまみに行きます。
- 右の糸をつまんだら、2本の糸を持ったまま左手をレール糸より手前に持ってきます。
- 左の糸を右手でつまみます。
- つまんだら、レール糸の上を通って右側へ持ってきます。
- 再び左手人差し指を糸の前に持ってきて、軽く添えます。
- 右手の糸をレール糸の下にくぐらせ、左手でつまみます。
- 右の糸をつまんだら、2本の糸を持ったまま左手をレール糸より手前に持ってきます。
- 左の糸を右手でつまんだら、レール糸の上を通って右側へ持ってきます。手順6でつまんでいる糸と色が違っている(反対の糸をつまんでいる)ことを確認して下さい。
- これで1回転分の編み付けが出来ました。左右の糸の色が、最初と同じ色になっています。
- 再び手順2からの要領で、編み付けていきます。
必要回数を編み付けたら、解けないように写真の手順で固結びを2回繰り返します。
万力編みはこれで完成ですが、必要に応じて端糸を撚ります。
→端糸の処理についてはこちら
→手順の写真が小さくて見づらい方はこちら(万力編みのみ)<ファイルサイズ約171KB>
<端糸の処理>
目印などの端糸は、適当な長さに切っておけばいいですが、編み付け部分にフックなどを取り付けるときは、撚りを作っておくと良いです。
要領としては、それぞれ別々の方向に撚りをかければ良いです。
- 左右の編み付け糸を、両手とも人差し指と親指で糸をつまみます。
- 左手の親指を手前から向こう側に滑らせ、右手の方は親指を向こう側から手前へ滑らせるようにして、糸を回転させます。
- この動作を何度か繰り返し、充分撚りをかけます。
- 充分撚りがかかったら、両方の糸の端を合わせて撚り合わせます。この時、左右の糸にかけた撚りの回数が、極端に異なると上手くいきません。
- 糸の端を持ったまま、撚り合わさって行く方向に糸を回転させます。
- 撚りが解けないように注意しながら、固結びまたは8の字結びで止めます。
- 余りの糸を切って出来上がりです。切る前に、瞬間接着剤で結び目を固めておくと良いです。
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yossy.sogabe@nifty.ne.jp 1999-11-14