平成11年釣行記(7月5日)

検量中のようす

今日は何年ぶりかで競技会(Daiwa鮎マスターズ)に出場しました。4時前に家を出発です。月が出てバシ晴れの釣り日和です。しかし大水の後で白川状態に低水温、早朝からの釣りでやや不安もあります。

5時前に着くと会場では既にかなりの方が準備中です。私も準備をして受付を済ませ、待機します。抽選番号は261番で比較的早いスタートです。(50番ごとに区切るから11番目) 待機中に水温を計ると14.0℃、水位は40センチ高で濁りは無いようです。「この水温に白川状態では、掛かり始める8時半からの勝負か・・・。ならば、堰堤下まで行くか。」と考えました。5時半になって、競技委員長の永井茂名人から説明や諸注意がありました。区域を少し広げ、名皿部橋上流の権現神社前迄にするとのことです。延長エリア内にいいポイントがあるので、第一候補ポイントが塞がっていた場合はそこまで歩くことにしました。競技委員長の挨拶で、「増水後で再遡上があるかもしれない。そうなると難しくなることも考えられる。いずれにしても朝のうちが勝負と見ますね。」と話されました。これを聞いて私は、「白川状態で付き鮎は少ない。朝一で一番鮎を掛けたものが命運を分ける。」と考えました。


第一候補に考えていた堰堤の下流

競技委員長の時計に時間合わせをして、6時を待たずに5時50分頃にスタートしました。みなさん走る走る!瀬をだばだば渡って行く方、道路を小走りに向かう人。私はと言えばいつものペースです。内心、空いた所に入った方が良いと思っていますのでゆっくりです。既に瀬の良さそうな所は解禁と見まがうかのように竿の放列で、中には2列になっている所もあります。いくら競技会でルール内とは言っても、普段ならいくら混んでもあんな事(人の前に入る)はしないでしょうに全く感心できませんね。

堰堤に向かう途中、川を見ると岩の間の絞り込み付近は未だ空いている様子です。作戦変更でここを目指します。ポイントに着くと中州を渡って来た方に塞がれていましたが、4時間も粘れないでしょうからここを狙いつつ少し上に入りました。


予選で私が入った場所

メタセンサー007に改良トンボ7.5号をセットします。オトリを送り出して間もなく、沖に出かけた所で掛かりました。開始早々5分ほどです。取り込むと一人前に背掛かりです。ところが型は15センチほどしかなく、色も白いのでこれはかなり苦戦しそうな予感がしました。オトリを掛かり鮎に変え、掛け鈎もヤナギにして同じ所を泳がせますが、すぐに浮いてしまいます。もしも後でチャラ瀬の勝負になった時には大事なオトリですので、これ以上は無理と控えの養太君に代わってもらいました。しかしこの後1時間ほどアタリ無し。例の絞り込みでやっておられる方は数匹掛けられたようですが、移動する気配は無し。少し下へ降ってやっと掛ったのも13センチと小型です。一応泳がせましたがこの流れには歯が立たないようです。この掛かる筋を更に攻めましたがダメなようですので、移動しながら探ってみることにしました。

でも結局他では掛けることが出来ませんでしたので、元の所へ戻りました。そうこうしていると他でもぽつぽつ掛かり始めました。時計を見ると8時半過ぎです。水温は14.4℃。少し温くなったかと思えますが、チャラ瀬で掛かる温度ではありません。更に粘っているとしばらくして、絞り込みでやっていた方が移動されました。早速そこへ移動します。養太君を底へ落ち着かせることとオモリを噛まれないようにすることだけを考え、慎重に操作しているとブルルンというアタリがありました。これはまともな型です。アタリから背掛かりは分かっていましたが、取り込んでみると先鈎に掛かっていました。

時計を見ると9時を回っています。同じ所で程なく掛かったのですが、流れの反対側からは竿が出ていて余り向こうへオトリを送れませんので、ここは打ち止めの感です。上の瀬肩に移動しようと上流を見るとすぐ上、それも15メートルほどの所に一人居られ、右脇の方もこちら側に竿を出しておられます。完全に移動を塞がれた状態になってしまいました。あきらめてそのまま続けましたが掛かる気配がしませんでした。時計は9時半を回り、上の瀬肩でひと泳がせしたい所です。都合よく右側の方が竿を出す方向を変えられました。上の方は半ば諦め加減ですので、ここを空ければ移動されるだろうと思い、遠巻きに移動しました。案の定上の方は降って来られましたが、先に右脇の方に入られてしまいました。残念そうに上の方は、右脇を釣っていた方のあとへ移動されました。

私は上手く瀬肩へ移動できた訳ですが、結局追加は出来ませんでした。私のあとに入られた方が1匹掛けられたので、やはりあそこは掛かる場所だった・・・と同時に釣り残したということですね。(笑い) 終了の合図の後に水温を計ると15.0℃でした。


予選の成績

私の成績は6匹でしたが、全体にあまり掛かっていないようにも思えましたので、決勝に出たらどうしようかと要らぬ心配をしましたが、検量所へ戻ってくると既に予選通過は7匹になっていました。(笑い) 結局9匹で抽選、10匹以上が確定でした。競技は4時間ですので時間2匹です。通年で時間3匹なら、競技会に出ても平均して良い成績が残せます。

6匹ですといったい何位ぐらいか知りたいものです。後からでも良いので、発表してくれないでしょうかねぇ。


<決定戦観戦記>

<このページの写真は、ほとんどが観戦中に撮影したものです。>

岩の間の絞り込み

決定戦を観戦しました。よく釣る人はどうやっているのか、ポイントの見切り、移動のタイミングにいちばん関心がありました。以前ですと釣りたいばかりで、観戦することはあまりありませんでした。もっとも、人の釣りを見ても何が優れているのかが分かりませんでしたが・・・。(^^ゞ

今回、選手の釣りを見て大発見をしました。それは、目印にブルブルがはっきり出ていることです。オトリが元気なうちは目印がスムーズですが、そのうちに小刻みにブルブル震え出し、やがてバタバタし始めるのです。このバタバタは私でも分かっているのですが、その前段階のブルブルがあることには全然気が付いていませんでした。

私が見せて頂いた方は、背鈎を打って水中糸を垂直にしてしゃくりながらの釣りでした。私が見に行った時には既に目印がバタバタしていていましたが、しゃくって糸を緩めた瞬間にオトリが上に遡って掛かりました。水中糸が垂直の釣りにも関心がありましたので、そのまま見ていました。オトリが元気なうちはペース良く掛かるのですが、大きくしゃくるのでオトリへの負担が大きいらしく、しばらくして目印が前後にブルブル震え出しました。岸から見ているので遠くて肉眼では分かりませんが、双眼鏡で見るとはっきり出ています。自分が釣っている時は釣ることばかりに気を取られ、この微妙な変化には全く気付いていませんでした。更にしゃくっていると、そのうちに私にも分かるバタバタです。私は驚愕と共に、「やった!」と思いました。今までは追う鮎が居ないのか泳がせ方が悪いのかが分からずに、ポイントの見切りも曖昧なものでした。一発泳ぎで掛からなければ移動することにしていますが、いつも元気オトリばかりではありません。何を基準に見切りを付けるかということを常々模索していましたが、もっと重要なオトリ操作の基準を発見できたことは大きな成果です。

他には、各選手に平均して共通した事柄ですが、目印は水深の1.5倍くらい、メタルかハイテクラインを使用しておられました。それと空中輸送で送り込まれるのもよく見かけました。


ブロック大会に出場される5名の方です。写真右から1位の島さん、順に永田さん、宮代さん、小野さん、大野さんです。3位の宮代さんはインタビューで語られましたが、前日の夕方潜って鮎が居る場所を探したそうです。上から見てあれこれ言うよりも確実だと。・・・脱帽です。m(__)m 決定戦終了10分前に小走りで掛かる場所へ移動され、1匹追加されましたが潜った話を聞いて納得です。


決定戦成績

決定戦の成績です。21名の総尾数は128尾、オトリは各2尾ですので掛けた数は86尾、競技時間は1時間半ですので平均釣果は2.73匹/時間になります。

それから閉会式において永井茂競技委員長が、大変参考になるお話をして下さったので掲載しておきます。なおメモした都合上、要旨をまとめてあります。

今日のような高水の日は、瀬尻で遡上してくる鮎を引っ掛けて釣るもまた友釣り、じっと我慢せなあかん。じっと我慢するのであれば良いポイントはたくさんある。2つ目に、オトリが言うことをきかないことがありますね。これは何かというと、背中に何かおかしな物が付いている。糸を緩めると手前へ寄って来る、張ると向こうへ行ってしまう。挙げ句の果てには鯉のぼりやね。それと決勝戦やが、全然落ち着きが無い。動き過ぎ。早いうちに2つか3つ掛けられた人は自信たっぷりにやっておるが、そうでない人は周りが気になってしょうがない。どっしりとして、もっと自分の釣りをせなあかん。じっと落ち着いて、鮎に楽な方法で手綱を緩める張る緩める張るとやっておれば、鮎が突っかけてくる、逃げる、鮎が追う、そのようにすれば次から次へと釣れて来るんですね。それを我慢出来んもんやから、あっちへウロウロこっちへウロウロ動き回る。そうすると余計釣れんようになる。釣れん釣れんと動く前に、じっと我慢する釣りをせなあかん。

マスターズで永井名人は、いつも示唆に富んだお話をされますのでこれだけでも値千金です。自分も実際に競技に参加してのことですので、その的確なお話はいつも身に染みます。私が尊敬する所以でもあります。


インタビューで話された選手の仕掛け
 水中糸つけ糸掛け鈎その他仕掛け、ポイントなど
1位島さんメタル008025→03変更 ノーマル仕掛け、移動式ハナカン、鮎任せで黒い石を探った
2位永田さんメタルバリバス006025アステア5 4本イカリ境界線から上流を狙った
3位宮代さんメタル00803がまかつネオ 3本イカリV背鈎ごくらく、前日の夕方に潜った
4位小野さんメタル0103ジャストワン ブラックノーマル仕掛け、公園前に入った
5位大野さんメタル01 7.5号3本イカリ堰堤下の柳の下の残りアカを探った

マスターズの掛かり鮎

私がマスターズで掛けた野鮎です。真ん中の小さ目のが1匹目、ビリちゃんが2匹目です。後の大き目のは瀬の絞り込みで掛けたものです。

今回の競技会は実力試しで出場したのですが、目標は6匹(総尾数8匹)でした。順位はともかくとして、釣果からするとやはり実力は今一つです。水中糸の張りとポイントの見切りについて、少しは上達したかと思ったので出場しましたが、今度出場する時は目印のブルブルを押さえられるようになってからでしょう。朝早くからの釣りで大変疲れましたが、競技会は出場するよりも見学してよく釣る人の釣りを学んだ方が良いと感じました。

それと観戦中に数名の方が声を掛けて下さいましたが、ありがとうございました。うれしかったです。今後ともよろしくお願いいたします。


日付平成11年7月5日(月)
場所漁協郡上漁協
河川長良川
ポイント郡上郡大和町釜淵橋上流(Daiwa鮎マスターズ予選)
時間6:00〜10:00
釣果匹数4匹(成績は6匹ですがオトリが2匹ですので掛けたのは4匹)
サイズ13〜18.5センチ
総重量150グラム
平均16センチ
水況水位+40センチ
水温14.0℃(6:00)、14.4℃(8:30)、15.0℃(10:00)
にごり無し
天気晴れ、朝は小寒かった
仕掛け竿Daiwa VS銀影競技T中硬々95MG
空中糸ナイロン06ダブル&シングル遊動式
水中糸ピンクのメタセンサー007 3メートル つまみ糸03 30センチ
ハナカン周り自作泳がせハナカン6ミリ
ハナカンハリス ナイロン08 15センチ固定
掛け鈎回転式2本ヤナギ(先鈎Gハードこーだ8号元鈎8.5号)
オモリ・背鈎オモリ0.8号
オトリ養殖2匹(配給)

大会終了後、名皿部橋下流

約3時間の釣果

昨夜は1時間半程しか寝ていないし、移動やら見学で疲れたので帰ろうかとも思ったのですが、例のブルブル現象を確かめたかったので、せっかくですし竿を出すことにしました。

仕掛けなどはマスターズと同じですが、鈎は改良トンボにしました。開始早々、石に擦れて高切れのマイナス1、ブルブル現象どころか落胆で手がぶるぶるするくらいでした。おまけに次に来たのは良型のウグイです。控えの養太君はありませんので、続けて泳がせるもアタリ無し。目印はもはやバタバタしています。仕方が無いのでオモリを付けて流心脇の大きな石の横でじっと待ちました。開始1時間ほどでやっと掛かりました。今度はオトリを交換して、オモリは外して送り出します。目印を見ていると、一応泳いではいるようですが確かに目印は震えています。ブルブルというほどではありませんが、ピリピリくらいですか一発泳ぎではありません。時々少しずつ沖へ出て行くので掛かる感じはします。しばらくするとやはり掛かりましたが、エラから心臓に向かって刺さっています。寄せれば大丈夫な掛かりでしたが、知らずに引き抜きで取り込んだので出血多量です。目印のビリビリは位置が低いからと思い、少し高くして再度送り出しますが目印の状態は先ほどと同じです。またすぐに掛かりましたがやはり掛かりは悪く、今度は心臓ズバリです。そのままオトリを送り出しますが、ついに目印がバタバタしていてダメです。しかし浅い所なら十分行ける元気度ですので、浅くて流れの筋がある所に移動しました。

浅い所ではなんとか泳いでくれますが、糸を少しでも張り過ぎるとと目印がブルブルします。仕方なくオトリ任せにしていると、しばらくして上に遡り始めました。間もなく目印が引き込まれ、4匹目をGetです。アタリが出た時に目印はスムーズでしたので、バッチリ背掛かりだろうと思いましたが、やはりその通りでした。それからその辺りを探りましたが反応無し。目印は時々ですがやはりビリビリします。もう少し流れが強い所はと思い、そちらへ誘導しました。すると目印はスムーズです。「う〜ん、謎。」しばらくして目印がスススッと動いた後に一気のアタリです。型もまずまずの背掛かりです。今掛かった近くをもう1匹としばし泳がせましたが、肌寒くなってきたので6時前に納竿としました。

ここでの釣りは短い時間でしたが、ブルブル目印を確認することが出来ました。糸を張り過ぎるのはもってのほかですが、緩め過ぎてもいけないようです。張り加減だけでなく、角度も重要な感じがしますし、糸の太さも関係ある気がします。確認は出来ましたが、どうやってスムーズ目印を意識的に作り出すかは未だ謎でこれからの練習課題です。しかし操作上の確かな目印(指標)を掴んだ感じがして、疲れた足取りもかなり軽くなりました。


への字鮎

これが私の言う”への字鮎”です。写真のは程度は軽いですが、ひどいのは鼻までペコンとしています。中央漁協では今シーズンはほとんど見かけませんが、郡上では良く掛かります。




日付平成11年7月5日(月)
場所漁協郡上漁協
河川長良川
ポイント郡上郡大和町名皿部橋下流(専用区)
時間15:00〜17:50
釣果匹数4匹(掛けたのは5匹ですが、養太君をマイナス1で釣果は4匹)
サイズ17〜18.5センチ
総重量265グラム(5匹で)
平均17.5センチ
水況水位+30センチ
水温17.9℃(18:00)
にごり無し
天気晴れ
仕掛け竿Daiwa VS銀影競技T中硬々95MG
空中糸ナイロン06ダブル&シングル遊動式
水中糸ピンクのメタセンサー007 3メートル つまみ糸03 30センチ
ハナカン周り自作泳がせハナカン6ミリ
ハナカンハリス ナイロン08 15センチ固定
掛け鈎カツイチ改良トンボ7.5号3本イカリ
オモリ・背鈎オモリ0.5号
オトリ養殖2匹(@500円)

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