掛け鈎

掛け鈎のバランスで重視しているのは、鈎の沈み具合とハリスの弾性です。平均して沈み気味のバランスにしていますが、干川の浅場で使う目的の号数は太いハリスで鈎を浮かせるバランスにしています。

また鈎先の鋭利さは釣果に大変影響するので、早め早めに交換するようにしています。1日に20本弱、1シーズンで700本ほど使いますが例年、シーズン終了から12月末までに研ぎ直しと鈎巻きを済ませるようにしています。使用済みの鈎は持ち帰っているので型とサイズ毎に計数して、前シーズンに使った数の1.5倍を目安にストックしています。

<掛け鈎>

掛け鈎

2009年現在で使っている主な鈎です。私は3本錨とヤナギオンリーで、大きさは7号から8号がメインです。型は改良トンボ、V5、A1ナント、V9-TR、Vキツネ-TR、韋駄天、菅付チラシ矢島といったところです。引き釣りは主に鈎先ストレート、泳がせはシワリ(鈎先カーブ)のパターンです。かつては鈎軸の細い太いの使い分けの意識は無かったのですが、現在では前中期(解禁から7月)は重めの鈎、中後期(8月以降)の鮎の皮が硬くなってからは細軸の鈎をと使い分けています。中後期では掛かりが全然違います。

お勧めはヤナギです。一度試されると良いと思いますが山間部の河川、中部ですと大内山川とか益田川などの水温の高低差が大きい河川の午前10時ごろまでや、一般河川でも増水の翌日などには、ヤナギの先鈎に背掛かりばかりの状況の場合があります。錨に替えてもちっとも掛からないのにヤナギだと先鈎にバッチリ背掛かり。市販の2段 (3段なら先を1本切って2段にする) で良いので矢島かトンボの8.5号を使ってみてください。元鈎に掛かるようになったら錨に替えます。

ですので8月以降もヤナギを使いたい時があるのですが細軸で鈎先ストレート、丸耳の製品が無いのが残念です。2009シーズンはギザ耳でも良いので、ヤナギに使えそうな鈎を探そうと思っています。どこかのメーカーさんで新改良トンボか長良の8.5号で線径0.46の丸耳製品を作っていただけないでしょうか?

またケースに「USED」と書いてあるのは研ぎなおした鈎が入っているケースで、後述しますが私は鈎を研ぎなおして使っているので、こういった表示をしています。


使ってみた掛け鈎の個人的な使用感
メーカー / 型 使用感
がまかつ
若鮎新改良トンボ
(7号7.5号8号) 掛かりは早くてバレも少ない。側面に掛かると皮をすくって鈎傷が広くなる。皮が硬くなった鮎ではケラレが増える。(7号) 号数の割にだいぶん重い。このシリーズは2009年カタログ落ち。
カツイチ
V5
(7号7.5号) 泳がせでの掛かりは優れもの。引いても使える。後半の皮が硬くなった鮎では刺さり込みがいまイチの印象。
がまかつ
A1ナント
(7.5号8号) シーズン通して泳がせ、引き釣りと共に使える。今のところ特別悪い点は見当たらない。
カツイチ
V9-TR
(7.5号8号) 渇水期にトロ場の泳がせでは掛かりがすこぶる良いが、引き釣りなど糸を張った状態の釣り方では鈎が負けてしまうのか底バレ多発で使えない。
カツイチ
Vキツネ-TR
(7号7.5号) 細軸だがガッチリ食い込むように刺さるので案外と大型を抜けるしバレない。製品のバラつきによって鈎が開いてバレることは極まれにある。
(6.5号) かなり浅いポイント(すね程度の水深)でも鈎先の傷みは割と遅い。
カツイチ
韋駄天
(6号6.5号) 小鈎でも線材が硬いので、引き釣りでの底バレは少ない。オトリは大きくても使える印象。超浅いポイント(すね)での鈎先の傷みは早い。
がまかつ
菅付チラシ矢島
(7.5号8号8.5号9号)メーカーの説明にはないが、ハリスはホンテロンなどのポリエステル系のものを使った方が良いように思う。キツネは試してみたが、矢島に比べて鈎が軽いので自分の釣りには合わない。
オーナー
一角
(7.5号8号) 線材の硬度と線径のバランスが非常に良いので掛かりもすこぶる良い。先端の加工も良い。引いても泳がせても使える。鈎先の傷みは早め。(7号)線材が硬すぎるのかケラレが多い感じで自分の釣りには合いません。
カツイチ
Vトルク
(7.5号8号) 線材が硬いうえに線径が太いので、鈎そのものが硬すぎて掛かり難いように思う。鈎が負けてバレるような状況では有効かも。

<ハリス>

ハリス

ナイロンやフロロカーボン、ホンテロンのスプール物を9.5センチに切って使っています。アルミ板に必要なだけ巻き付け、熱湯をかけて巻き癖を取ってから切断します。上質な糸でも100メートルで1,000円ちょっとですので経済的ですし、何より自分の意図した弾性の製品が手に入ることです。お店の人に了解を得て、糸の端を触らせてもらって弾性を確認して買います。追加はネットオークションの出品で揃えることが多いです。お勧めは画像右上の「Laiglon」。東亜ストリング社製の軟質ナイロンですが600メートル1,200円ほど。大手釣具店なら大概手に入ると思います。軟質のナイロンは熱を受けると硬くなってしまうので、せっかく巻いたのにベストに入れた状態で車内の高温にさらされると、当初の柔らかさが失われてしまいます。この「Laiglon」は熱変化が少ないのが優れた特徴です。ここには出していませんが、バリバスの「スーパーソフト」も熱変化は少ないです。

使い分けの基本は、引き釣り鈎先ストレートは軟質のナイロン。泳がせ鈎先カーブ(シワリ)はフロロカーボンのパターン。底流れが複雑で掛け鈎がオトリの尾に絡む場合はホンテロンを使います。以前は野鮎によく絡むだろうと考えて小鈎は0.8号とかの細い号柄の設定にしていましたが2009年6月9日の釣行で、浅場での小鈎は太いハリスにしたほうが良く掛かることを実感。それ以後は使い分けるシチュエーションで実際にテストして、号数とフロロとナイロンの組み合わせを決めています。

フロロカーボンの糸は腰の具合 (弾性) が大変良いのですがスプール物の場合、瞬間接着剤の馴染みがもうひとつです。鮎が掛かった時のショックでハリがすっぽ抜けてしまうことがあったので先の部分に、すっぽ抜け防止の焼玉を作って使っています。しかし鮎用のハリスとして売られているカット物は、すっぽ抜け防止に接着剤に馴染むコーティングがされているようですので、そのまま使っても大丈夫な印象。



<根巻糸>

根巻糸

根巻糸は掛け鈎の号数とハリスの材質に応じて色を変えて使っています。鮎の根巻糸だけでは色の種類が揃わないので、フライ用のUNI-Thred (UNI Products社) とかWaxed Thread (DANVILLE'S社) も使っています。これらのスレッドは大手釣具店やフライ用品店で手に入り、200ヤードで500円ほどです。スレッドは薄くワックスが掛かっていますが根巻糸に使っても型崩れは無いので、個人的には接着剤は十分効いていると思います。

他には手芸用品店などで手に入るミシン糸で、巻きロック用の100番があります。カラーは結構揃っていて1000メートルで400円ほどですが、売っている店が少ないです。1000メートルだと一生使えるくらいですので通販で買う手もあります。岐阜市周辺では、芥見のバローにある「手芸工房オーロラ」(TEL:058-241-6622)に置いてあります(2009年4月現在)。

画像は後列がUNI-Thred、中列Waxed Thread、前列はオーナー鮎根巻糸です。



<ハリとハリスの組み合わせ>

大よそ、下の表のパターンで使い分けています。パターンを決めてあるので迷いは少ないです。

時期 タイプ メーカー / 型 号数 ハリス 使い分け / 利点
前中期
(5月6月7月)
3本錨 がまかつ
引抜新改良トンボ
8 ナイロン1.2号
ホンテロン1.2号
流れが強くて若鮎では掛かりが遅いと感じた場合
掛け鈎が尾っぽに絡む場合はホンテロンを使う
がまかつ
若鮎新改良トンボ
8 ナイロン1.2号
ホンテロン1.2号
流れが速いポイントでの引き釣り
掛け鈎が尾っぽに絡む場合はホンテロンを使う
がまかつ
若鮎新改良トンボ
7.5 ナイロン1号
ホンテロン1号
中程度の流れでの引き釣り(メインのサイズ)
掛け鈎が尾っぽに絡む場合はホンテロンを使う
がまかつ
若鮎新改良トンボ
7 ナイロン1.5号 浅いポイントでの引き釣り
がまかつ
A1ナント
8 ナイロン1号 水深が概ね90センチ(へそ上)よりも深いポイントでの泳がせ
カツイチ V5 7.5 フロロ1号 水深が60センチ前後(股下くらい)のポイントでの泳がせ
がまかつ がまキツネからV5へ移行中
カツイチ V5 7 フロロ1.5号 水深が40センチ(ひざ)よりも浅いポイントでの泳がせ
アステア TYPE3 6.5 ナイロン2号 水深が40センチ(ひざ)よりも浅いトロ場での泳がせ。干川で使う目的なので浮かせるバランス
2本ヤナギ がまかつ
菅付チラシ 矢島
元鈎9
先鈎8.5
ホンテロン1.5号 増水や荒瀬でオモリを使う場合のメイン
掛け鈎が底掛かりしてのオトリロストがほとんど無い
がまかつ
菅付チラシ 矢島
元鈎8.5
先鈎8
ホンテロン1.2号 朝一番の試し鈎 元鈎に掛かるようになったら錨に替える
低水温や増水のあくる日で錨では掛からない場合のメイン
がまかつ
菅付チラシ 矢島
元鈎8
先鈎7.5
ホンテロン1号 上記の状況で流れが緩い場合
中後期
(8月9月10月)
3本錨 がまかつ
A1ナント
8 ナイロン1号
ホンテロン1号
早瀬での引き釣り
掛け鈎が尾っぽに絡む場合はホンテロンを使う
がまかつ
A1ナント
7.5 ナイロン1号
ホンテロン1号
主に浅くても速い流れの瀬で引き釣り
掛け鈎が尾っぽに絡む場合はホンテロンを使う
カツイチ
Vキツネ-TR
7.5 フロロ1号 瀬での引き釣りメイン
トロ場での泳がせ
カツイチ
Vキツネ-TR
7 フロロ1.2号 流れが緩めの瀬で引き釣り
浅いトロ場での泳がせ
カツイチ
Vキツネ-TR
6.5 ナイロン2号 浅いトロ場での泳がせ
カツイチ
韋駄天
6.5 ナイロン2号 浅いポイント(ひざ下)での引き釣りまたは泳がせ
干川で使うので浮かせるバランス
カツイチ
韋駄天
6 ナイロン2号 超浅くて(すね以下)流れが緩いポイントに使う
がまかつ
G-HARD Cue
8 フロロ1.2号 早瀬での引き釣りで掛かるペースが早い場合
押しが強いトロ場での泳がせ
カツイチ
スーパー競技V9-TR
8 ナイロン1号 瀬やトロ場での泳がせ
カツイチ
スーパー競技V9-TR
7.5 ナイロン1号 瀬やトロ場での泳がせ
2本ヤナギ Vキツネ-TR(候補)
一刀チラシ(候補)
  金松葉(候補) 後期も試し鈎や低水温で使いたいので
皮が硬くなった鮎にも使えるヤナギを模索中


<巻き方>

鈎巻きホルダーなどは使わず完全手巻きです。掛け鈎3本をハリスと同時に重ね合わせて根巻糸で巻いています。掲示板などでは「手巻きだとハリスがセンターから出ないが、釣果に影響するのか?」といった書き込みを見かけることがあります。このことについてはかなり以前ですが永井茂名人が釣り番組の中で「大丈夫ですって、ちゃんと釣れます」と言っておられました。自分も一時期疑問に思ったことがありますが、先の一言で安心した憶えがあります。現在では、「1.ハリスの長さや硬さ(弾性)、サカバリを打つ位置、その他仕掛けの細部にわたってミリ単位レベルの精度で作っているわけではない。2.もし差がある兆候でも感じられたら鮎釣りのテスターたちによってテストされ、雑誌やビデオで発表されているor発表されるだろう。3.センターから出そうとすると手巻きでは、今のやり方だとほとんど無理なのでホルダーを使うことになるが、ホルダーを使って時間30本はとても巻けないらしいので能率の面からホルダーを使う気にはなれない。」と考えています。

ただ鈎巻きにはコツがあって、それは根巻糸を鈎軸の素材が見えるくらいに僅かに隙間を空けて一重で巻くことです。これは接着剤の浸透を良くするためで、根巻糸を何重にもゴテゴテに巻くと接着剤が中まで浸透せず結果的に、型崩れしたりすっぽ抜けたりする原因となります。今の掛け鈎にはほとんどが背中側にも滑り止めのギザギザ加工がしてあるのに、接着不良で型崩れしたりすっぽ抜けたりではせっかくの滑り止め加工がもったいないです。


<保存>

保存ケース ストッカー

結んだハリは、接着剤を付けずにパーツケース(写真左)に入れて保存しています。当座使う分だけ接着して、余った糸を切ってストッカー(写真右)に保存します。右の写真の右端に黒く見える物は、マグネットシート(ゴム磁石)を利用した、ヤナギ保管用のツールです。

釣り場への携行はDaiwaの鮎匠を使っています。



<おまけ>根巻糸の不思議

根巻糸

私は、鈎の号数に応じて根巻糸の色を変えて使っていますが、色によっては外道(ウグイ、ニゴイ、カワムツ、シラハエ)が良く掛かってしまうことがあります。

ウグイ、ニゴイに人気がある。ニゴイは特に顕著で、スレで掛かるのでなく、口のところにガッチリと3本イカリが刺さっていることが多いので、黄色いのをエサと思って食べに来るらしいです。
赤(ワインレッド)
カワムツ、シラハエ(オイカワ)、ウグイが多い。毛鉤にも赤が使ってあることからも納得がいきます。増水後の白川になった時に頻発することがあります。

このことを拡張して、鮎に対しての効果を得られないかと思い、パソコン通信で話題にしたところ、以下のコメントがありました。

ずーと、ずーと昔、釣り雑誌でたしか原満さんだったと思うのだが、イカリを巻いた軸にラッカーを塗るということがでていたので、さっそくまねして、会津大川でテスト。原さんの説明だと、黄色がよくて、赤系はウグイ・ニゴイにやられる、ということだったので、黄色のラッカーをポッテリつけてためすと、あきらかに効果有り。掛かるにはよくかかるのだが、、、掛かり方がへん。口・頭・目、、とにかく頭部に集中した。気持ち悪くなって1回だけで、しかも途中でやめてしまった。

情報提供:三太夫さん 田無市在住

ということで、やはり効果はあるようです。

1999年時点では根巻糸での集魚効果を検討したこともありますが、2009年現在では外道にやられない色を選択する方が重要となっています。とはいっても黄色やワインレッドも使っています。


<鈎の研ぎ方>

「鈎先はこまめにチェックして、鈎はよく交換しなさい」と釣りの本やビデオでは言っています。分かってはいてもやはりもったいないという気持ちがあり、15分毎にサカバリを左右打ち変えるとかして使っていました。しかし鈎を研いで使うようになってからは、交換する数は増えたものの捨てる数はめっきり少なくなりました。

今では1時間に約3本交換していますが、捨ててしまうのは多い時でもバラ鈎が1日に4、5本といったところです。研げば同じ鈎を何シーズンも使い続けられ、5回転ぐらいは楽にいけるのがメリットです。使っている鈎のタイプはどんどん古くなりますが、新しく発売される鈎は以前にあった鈎を素材や名前だけを変えてリバイバルさせたものが多いので気にしません。ただ、素材はやはり最近の特殊合金が優れている場合が多いので意識的に捨てるようにして、ある程度で自分の鈎もモデルチェンジするようにはしています。素材は研いで再生するという事情から、110(117)カーボンかKハイス(カツイチ)が扱い易いです。

掛け鈎は現場で研ぎながら使い続けることも出来ますが、釣る時間が短くなってしまいますので持ち帰って研いでいます。錨のままですと研ぎ難いうえに利き鈎(サカバリを打った時に、掛け鈎のいちばん下を向いている鈎)だけが早く摩耗して偏ってきますので、全体として均質になるように分解して結び直しています。

さて、自分で研いで鈎先は元に戻るのか?テーパーが急になることは確かですが鈎先の鋭利さは、顕微鏡などで確認した訳ではないのではっきりしたことは分かりません。ただ研ぎ上がりを全数検査しているので品質が均一になり、新品を無検査で使った場合に比べれば信頼性は格段に向上していると考えています。かく言う私も研いで使い回す前は少々不安でしたが、今では思い過ごしだったと実感しています。実際に研いで使ってみればいけそうかどうか判断がつきますし、もったいなくて鈎交換を惜しんでいたことを思えば掛かり優先で鈎交換できるようになったのがメリットです。

<用意するもの>

お勧め製品 アルカンサス拡大 ケース
砥石、一時保存するケース、カッターナイフ
砥石
砥石はなんといってもアルカンサスの砥石に限りますが、2009年現在では入手は困難です。ひとつあれば長く使えますので見かけたら多少高くても、購入して損はないと思います。写真の製品(ブランド名:シャーク)も2000年頃では比較的値段が安く800円ほどで手に入りました。茶色や白のセラミック製やダイヤモンドヤスリがありますが掛け鈎を軽く研ぐには粗すぎるのでアルカンサスの代替として、2000番程度の耐水サンドペーパーを適当な厚さと硬さの台に貼り付けて、研げなくなったらペーパーを張り替えるやり方をいつぞや雑誌で読んだ憶えがあります。アルカンサス砥石は水や油は付けずに使っていますが、目が詰まったら洗うようにすれば問題は無い様です。
バラした鈎を分類して一時的に保存するケースと研いだ鈎を一時的に保存するケース
必ず必要という訳ではありませんが、混ざってしまうと再び分類するのが手間なので、分類したまま一時的に保存するケースが有るといいです。長期的な保存は、元のケースに「USED」と書いて保存しています。
カッターナイフ
手元にある物で間に合います。
研ぎ上がりを検査する用紙
コピー用紙が適当と思います。この検査用紙で研ぎ上がりのグレードが決まるので、新品の鈎で検査手順を試してみて用紙を決めると良いと思います。ちなみに私は携帯電話会社から送られてくる利用料金明細書の裏面を使っています。

手順

    研いで再生しながら使う時の最大のコツは、”少し傷んだらすぐ交換する”事です。爪に当ててもスカスカと滑ってしまうぐらいまで使うと、研ぐのにも時間が掛かりますし、第一に鮎の掛かり具合が悪くなります。「ちょっと傷んだかな?」程度で交換すれば、軽く2〜3回砥石に当てるだけで研げます。早目々々の交換をお勧めします。

    カス鈎入れ 分類する
  1. この様な使用済み鈎入れを使っています。プラスチックのケースに磁石を貼り付けただけの物で、落としても流されないように紐も付けてあります。これに使った鈎を入れて持ち帰ります。
  2. 持ち帰った鈎を形、号数毎に分けます。形は見た目、号数は根巻糸の色で判断しています。鈎の素材によって色が違いますし、メーカーによってチモトのギザギザのパターンが異なるので紛らわしい時はそれでも判断できます。
  3. 錨を崩す 切り開く
  4. 接着剤が剥がれ易いようにイカリ型を崩しておきます。こうすると接着剤のカスが残り難いです。
  5. カッターで根巻糸の所を縦に切り開きます。机などに傷が付かないように、新聞紙などを敷いてください。ほぐした鈎はケースに入れてストックし、ひと通りほぐし終わってから研ぎにかかります。
  6. 接着剤のカスを取る ストッカー
  7. 接着剤のカスが残っている時はカッターの背などで、こそげ落としておきます。特に腰曲がり付近に残っていると錨に結んだ時に締りが悪くなるので丁寧に取り除いておきます。
  8. ほぐした鈎はケースに入れてストックし、ひと通りほぐし終わってから研ぎにかかると能率が良いと思います。
  9. めくれたり折れたりした鈎
  10. 作業中には変形していたり大きくめくれているものや鈎先が折れて無くなっているもの(上の写真右参照)が見つかりますが、こういったものは気が付き次第捨てます。研いで修正することも出来ますが、材質のバラつきのせいかまた同じ様にめくれたり折れたりしてしまう様ですので捨ててしまっています。また繰り返し使ったもので、鈎先が短くなったと感じたものも捨てる様にしています。

  11. (撮影のため大鈎を使っています。耳なしが無かったので、ここでは耳付きを使っています)
    裏側を研ぐ
  12. まず鈎先のふところ側を順方向(写真では向こうから手前)に砥石の長さを全部使って、軽く1回だけ研ぎます。石を引っ掻いて先がめくれたものがあるので、めくれを取る目的です。
  13. 側面を斜めに研ぐ 正面を研ぐ
  14. 次に側面を斜めに研ぎます。鈎を砥石の面に60度くらいに傾けて、なるべく鈎先へ沿うように往復で2〜3回研ぎます。このとき極端にはテーパーがきつくならないように注意します。鈎の反対側も同じ様に研いで、正面から見ておよそ正三角形になるような感じに仕上げます。
  15. 最後に正面を1〜2回軽く研ぎます。前の工程で研ぎ上がった正三角形の上部を研ぎ落として、いわば台形状に仕上げます。これを「三面研ぎ」と言います。
  16. 研ぎ上がり検査 研ぎ上がり
  17. 研ぎ上がりの検査は鈎先で検査用紙の表面を軽く滑らせて行います。この時、鈎先を用紙に押し付けて刺そうとするのではなく、あくまで滑らせて引っ掛かり具合を見ます。用紙に引っ掛かって刺さり込めばOKですが、用紙の表面を引っ掻くだけとか滑って引っ掛かりもしない場合はもう1回だけ研ぐ工程を繰り返します。それでも滑る場合は鈎先がミクロに折れている可能性が大なので捨てます。検査用紙の一度使った引き筋は、繊維が乱れて引っ掛かりやすくなっているので再度は使いません。刺さって穴が開かなくても2〜3ミリずらして検査に使用します。用紙の端まで使ったら、穴が開いている部分をハサミで切り落として新しい検査スペースを作れば用紙の節約になります。
  18. 分類して保存
  19. 研ぎ上がった鈎は分類して保存し、次回の使用に備えます。何度か繰り返し使っていて、鈎先が短くなったと感じたら捨てる様にしています。(2009年現在では使用済みのケースに入れて保存しています)

釣り鈎を研ぐことの応用技術として、渓流やルアー、フライ、ヘラや鯉。海の磯や投げ、船でもあらゆる釣りで、アタリはあるのに鈎掛りしない場合やバレが多いとき、あまりにも釣れない時には鈎先のチェックをお勧めします。錆びたり折れたりして意外に傷んでいることがあって、そんなときは砥石で研ぎ直すか鈎を新しいものと交換すれば鈎掛りするようになります。鈎先の確認についての解説は、鮎以外の釣りの本ではほとんど見かけないのですが、鈎先の鋭利さを保つことは釣果が確実に伸びる秘訣です。

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yossy.sogabe@nifty.com 2009-08-21 (1999-11-19)