ハナカンの自作
「いまどき、丸ハナカンを使っているのか?」と笑われそうですが、丸ハナカンでしたら簡単に作れます。今回使った材料は手に入り易く、費用もわずかで好みのサイズに作れるのがメリットです。
<材料・工具>
洋白線、材料を巻き付ける丸い棒、クリッパー、ニッパー、ヤスリ
- 洋白線
- 材料として、ホームセンターなどに売っている「洋白線(ようはくせん)」(銀の合金)を使います。太さは0.8ミリが良いと思います。値段は30センチカットが10本入って500円ほどです。他の材料としては「燐青銅線(りんせいどうせん)」もありますが、こちらは硬くてそのままでは使いづらい。少し焼き戻すと良いと本に書いてあったのでやってはみましたが、均一に狙った硬さに焼き戻すのは難しい。ですので使用は断念して、洋白線を探した次第です。
- 丸い棒
- ハナカンの内径よりも0.5ミリほど細いもの。今回はドライバーを使いました。丁度よい太さの心棒が無い場合は、細目の芯にテープを巻くなどして調整して作ることもできます。
- ヤスリ
- 切り口のバリを取るのに使います。目立て用の薄いものが良いですが、無い場合はサンドペーパーの400〜600番でも良いと思います。
- クリッパー
- 材料を切断するのに使います。
- ニッパー
- 接続部分を安定させるための刻みを入れるのに使います。刃の噛み合わせが正確なものを用意します。
<作り方>
- 材料を心棒に巻きます。なるべく隙間が空かないように密に巻くと仕上がりが良いです。巻いた後に修正するのは難しいので、丁寧に巻いてください。
- 心棒から引き抜きます。少しコイルが広がっています。
- コイル状に巻き上がったものをカットします。バリ取りをすると、ほんのわずかですが噛み合わせの隙間が広がるので、心持ち大き目に切ります。
- 両端が少し重なるように、こんな感じにカットします。今回は内径5ミリのものを作りましたが、1本から15個作れました。6ミリですと13個ぐらい。
- 切り口のバリを取ります。きれいに取っておかないと鮎の鼻が傷んだり、水中糸が切れたりしますので丁寧に仕上げます。ヤスリは通常は目が立っている方向に力をかけるのですが、洋白は柔らかいのと小さくて作業がし難いので、目が立っていない方向へ軽く擦るようにするとやり易いです(写真の場合ですと、手前に引く)。両端は鋭くする必要はなく、やや丸くする程度でOKです。
- 接続部分が安定するように、ニッパーなどで側面に軽く刻みを入れます。この時工程を省略するために、ハナカンの切れ目の片側だけ(ハナカン結び糸を結ぶ側だけ)に刻みを入れて使ったことがありますが、ハナカンを閉じる時に引っ掛かりが無いために上手く閉じられませんでした。ですので、刻みは両側に入れたほうが良いです。また使用するニッパーの噛み合わせが悪いと、ハナカンが反るように変形してしまうので、噛み合わせが正確なものを使ってください。バリ取りと刻み入れのどちらを先にやっても良いのですが、ハナカンを閉じた方がこの作業がし易いので、私はバリ取りを先にしています。
これで完成です。写真は材料2本分で出来たものです。
余談ですが、個人的には真鍮の黄金色か黒のハナカンが好きなので、何とか黒くできないかと思い彫金用の黒化剤を使ってみたのですが、わずかに黒くなっただけでした。
このページはここで終わり
[戻る | Home]
yossy.sogabe@nifty.com