平成15年釣行記(8月24日)

今日は益田川でクラブの例会。皆さんの胸をお借りするつもりの参加です。ところが仕事の都合で集合時間には間に合わず、競技開始にも2分ほど遅れてしまいました(係りの方、ごめんなさい)。


銀塩写真からスキャナ起し

午前7時のスタートです。川を見ると曇り石の連続。朝早くのポイントが分からないうえに水も冷たく、見たところ20センチほど高水で、どこを狙ったら良いか見当が付きません。どこもかしこも同じに見えてしまいますので、一発期待で早瀬を狙ってみました。これで掛かればしめたものですがそうもいかず、軽く探って切り上げ。上みへ遡りながら今度は辺地の方を探ります。下もの選手が浅いポイントで掛けられたのでやはり浅場が良さそうです。しかしこちらは全然ダメ。結局下もの選手もその1匹だけで移動。その後、石裏のよれやたるみも探ってみましたが掛かりませんでした。

開始1時間半を過ぎ、オトリ変わらずではまずトホホ。上みの瀬肩に入っている選手は、そちらを見るたび頻繁にタモへ手を入れているので掛かっている様子です。「どんな所で掛かるの?」堤防へ上がって見てみると、トロ場には僅かに艶のある石が見られます。「なるほど。ああいうところか。」それで流れ込んでいる瀬肩へ移動し、広く探ってみましたがここもダメな様です。ふと足元を見ると、小型ながら鮎がひらを打っているのが見えます。時刻は9時半。活性が出て来たようです。サングラスを忘れてきたので角度を変えながら透かして見ると、トロ場の開きの鏡には結構な数の群れ鮎が見られます。ひょっとして掛からないかと思い、泳がせてみましたが掛かりませんでした。9時45分に竿を仕舞って検量所へ。結局2時間半でオトリ変わらず予選敗退。2ブロックで予選参加者が23名中、釣果があったのは9名。半数以上の選手は2匹のままでしたので、まあ私の実力からはこの状況だと勝ち上がりが無理なのも頷けました。(^^;)


決勝戦は10時40分から12時40分までの2時間を、昨年の上位3名と予選通過の9名の計12名で争われます。オトリは天然1匹です。私はカメラマンを頼まれたので、撮影しながら観戦しました。選手の中で、まず最初に掛かったのは25分。次は30分。3匹目は40分で、その後はだんまり。そして開始ほぼ1時間。同じポイントでずっと粘っておられた選手の竿が曲がりました。その後2匹は良いペースで掛かり、3匹の釣果。この時、他の選手はおおよそ掛からんモード突入状態です。開始1時間20分を過ぎた頃に、ある選手がチラシを使い始めました。果たして掛かるのかと思っていると暫くして竿が曲がり、やや流されながらも何とかGet。これは面白い!これでペースをつかめば逆転優勝もあり得ます。次も暫くして掛かり、2匹目です。しかし1時間35分。上みの選手の竿が曲がり、型が良かったらしく寄せで取り込まれた様に見えました。上みの選手は4匹の掛かりでオトリ込み5匹(と思っていました)。また新しい入れ掛かりのリズムに乗った様子。しかし掛かりは止まり、その後は一向に竿が曲がらず競技終了になりました。チラシ使いの選手は2匹掛けのオトリ込みで3匹。うっかり見ていなかったのですが、師匠も1匹掛けのオトリ込みで2匹。他の選手はオール1匹。上みで掛かっていた選手はといいますと、引き舟にはなんとオトリ込みの3匹。4匹目はこちらからは取り込んだ様に見えたのですが型が良く、寄せたもののセットバラシしてしまったそうでした。1位2位は3匹で対。結局、1匹大物重量5グラム差(120gと125g)でチラシの選手が優勝されました。その後は懇親会が催され、和気あいあいの歓談で例会を閉じました。


今日は観戦していて久々に興奮しましたが、研究していた事実の裏付けやいくつかの新しい発見を得ました。まず2位であった選手(SZさんと呼ばせて頂きます)についてです。SZさんは、鮎の動き(釣れるパターン)についてよく知っておられるように思いました。私も同じブロックでしたがSZさんは予選5匹(オトリ込みの7匹)でダントツ。決勝戦も予選もどちらも似たようなトロ場の開きから瀬肩にかけてに入られました。そして決勝戦は1時間泳がし続けての掛かり。私は観戦している時にSZさんがほぼ1時間で1匹目を掛けられたのを見て、この方が3匹掛けて優勝されるだろうと予想しました。1時間粘って掛かったということは、追いアタリを出して掛けたと言うこと。既に付いている野鮎を探って掛けたのとは異なり、その付近の入れ掛かり期待値は最高のレベルに達しています。過去の実績から、厳しい状況でも入れ掛かり期待値3ぐらいは見込めるので、3匹掛かるだろうと予想した訳です。案の定3匹で掛かりは止まりましたので、研究していた入れ掛かり期待値は他の釣り人にも当てはまり、一般的な法則として成立しそうです。そして最も関心があったのは、掛かりが止まった後にSZさんがどのように動かれるかです。自分ですと追いアタリを出して入れ掛かりを作った場合、このままペースに乗れればマズマズの釣果に持ち込んでいるのですが、半分は集中力が切れてチャランポランな釣り(攻め方)になって再びペースを失ってしまいます。ですのでSZさんはどのようにしてペースを維持されるのかを見たかったのです。SZさんはそれからも約30分間同じポイントを攻め続けられ、その後僅かに移動されました。そして小移動後、暫くして4匹目を掛けられたのですが、掛かり鮎の大きさと時間的間隔からして4匹目はそれそのものが既に打ち止めの鮎だったように思います。奇しくもこの掛かり鮎はセットバラシで取り込めませんでしたが、第二の入れ掛かりのリズムが長ければ、もしくは入れ掛かり期待値が大きかったならば控えのオトリを出しても直ぐに掛かっただろうと思います。どうしても集中力が切れますし、競技終了までの残り時間が短かったので第三の入れ掛かりペースに乗せるやり方を見ることは出来ませんでしたが、このSZさんの動きは大変参考になりました。それと個人的な意見ですが、現在の一般的な友釣りの競技形式ではマンツーマンの場合、1時間で場所交代がほとんどですので今日のSZさんのように粘って追いアタリを出す作戦をとっても充分な結果は出せないだろうと思います。追いアタリが出る寸前にホイッスルでは、たとえ意図的に追いアタリを出そうとしても1匹目が掛かるまでに1時間5分必要な状況だとしたらトホホに終わってしまいます。難しい状況でも掛かるポイントを見極められる技術力を持っていなければこのやり方は出来ませんので、1エリア1時間では真の実力は評価されていないと思います。区切りがいいので1時間としたのかもしれませんが、実力を評価するにはエリア1時間半か1時間45分とする方が適切だと思います。ただ、追いアタリを出して入れ掛かりを作る技と、しゃくりやスパイラルなどの誘いをかけて追いを誘発する技ではどちらが有利なのかは今後の検討課題です。

二つめはヤナギ仕掛け。優勝された選手(SIさんと呼ばせて頂きます)は、途中からチラシ(ヤナギかチラシかはっきりお尋ねしませんでした)を使われましたが、先鈎をかなり長く出した群れ鮎を引っ掛けて釣る形式のヤナギだったようです。余りこのことは口にされたくないようでしたので詳しい内容は差し控えますが、掛かったのは先鈎だったそうです。私もヤナギ仕掛けを研究中ですので大変興味があり、果たして掛かるのか?と思って観戦していました。すると暫くして掛かったのですが、それを見てこの試合、SIさんの仕掛けとSZさんの経験(知識)の闘いだと感じました。太平洋戦争の連合軍の物量作戦と旧日本軍の大和魂(精神)になぞらえてどちらが勝つかワクワクして観戦しました。結果は重量差でチラシ(物量作戦)が勝ちました。私は主に技術(精神)を伸ばす釣りを考えていましたが、今日の結果からすると仕掛け(物質)も釣果の上で相当重要な要素だと思いました。言葉は悪いですが「何でも良いから掛ける」謂わば野蛮な釣りと、「丁寧に釣る」繊細な釣りがミックスされればそれこそ強靭な釣りになるだろうと思います。私は昨今の鮎釣り雑誌やビデオなどは、専ら仕掛けが中心に取り上げられている気がして、半ば軽蔑していたのですが認識不足でした。やはり仕掛けについても、それを使いこなす技術とポイントを見極める力が無ければ釣果は得られません。新たな発見でした。また自分でも先鈎を長く出したヤナギを使ってみようとも思いました。

次にポイントの移動と見切りです。大体50分くらいからボチボチ移動し始められたのですが、1時間20分もすると半数くらいの選手は掛からんモードの様子でした。それも“何となく”移動している感じ。師匠もさすがに最後の方はキョロキョロしていましたが(笑い)、移動する狙いははっきりしていているように見えました。これが1匹の釣果につながったのだと思います(掛かったのは90分後だったそうです)。また数名の選手は最後の方はやはり多少なりともキョロキョロしつつも、終始“釣る”という集中した姿勢が感じられました。大体自分も掛からない時には1時間もすると漫然とした釣りになりがちですが、次にどこを探るか(攻めるか)あるいは場所変えするかは、常にはっきりした狙い(作戦or見通し)を持っている必要性を強く感じました。口幅ったいですが、万年トホホか少しずつでも上達するかは常に意識して移動することにあるだろうと思います。決勝戦で最初に掛かったのは25分。次いで30分。3匹目は40分。準優勝のSZさんにお尋ねしたところ、予選のポイントでも開始30分くらいで掛かったそうです。ですので掛かるポイントを探るつもりなら1時間もやれば十分で、意図的に追いアタリを出すのでなければ早目に場所変えした方が得策だということの裏付けになりました。しかしどこへ行っても良さそうなポイントが見つからない場合は、“ここで”というポイントで粘る方が有利なことも分かりました。今日の私の予選敗退は、朝方に掛かるポイントを知らなかったことに加え、掛かる鮎を探して移動し続けたのが原因だったと思います。付いている鮎はごく少なかったか居なかったと言うことです。


最後に、今日の例会でお世話になった皆さん、ありがとうございました。来年は予選を突破して決勝戦に駒を進められるように頑張ります。

それと余談ですが、今日もまた仕掛けなど一式入ったバッグを忘れてしまいました。ですのでデジカメも持って行っていないので画像はありません。本日はテキストのみ。





日付平成15年8月24日(日曜日)
場所漁協益田川漁協(日釣り2,000円)
河川益田川
ポイント三島橋上流(萩原)
時間7:15-9:45 (2.50時間)
水況水位+20センチ
水温16.0℃(7:15)
にごり無し
アカ付き付き過ぎ
天気晴れ
釣果匹数0匹
サイズ-
総重量-
平均-
1匹目--分 / --分 (通算 --分)
ペース--匹/時間
仕掛け竿Daiwa VS銀影競技T中硬々95MG
空中糸オーナープロ天上道糸0.3×4本編み ダブル&シングル遊動式
水中糸ターボDash01 4メートル つまみ糸03 30センチ
ハナカン周り自作泳がせハナカン6ミリ
ハナカンハリス ナイロン1号 (17センチ固定)
掛け鈎2本ヤナギ(先鈎がまかつ 管付き矢島8.5号 元鈎管付き矢島9号 ホンテロン1.5号)
 
オモリ・背鈎オモリ1.5号、ごくらく背鈎18ミリ
オトリ養殖2匹

本日の反省

まあまあ以上
競技会のためエリアは指定。
釣り返し
しなかった。
探りのペース
結果的には、ここぞと思うポイントで粘らなければいけなかった。
止めと泳がせ
他の選手の釣り方からすれば、止め泳がせ。
思った所で掛かる
全然話にならず。
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Yoshihiro Sogabe in Gifu 2003-08-26 (2003-09-08)