第25回 【全般】鈎先の重要性〜研いで釣果アップ


当初は話題を鮎釣りに限定するつもりでしたが、拡張して釣り全般にしました。ということで、今回は食わせるタイプの鈎における、鈎先の重要性について考えてみます。

今シーズンは何年ぶりかでシラハエ(オイカワ・ヤマベ)釣りに出かけていますが、これがまた鈎先の鋭さが要求されます。ひょっとすると友釣りの掛け鈎よりも、鈎先の鋭さが釣果に影響するようにも思います。鈎先が傷んでくるとどうなるか?答えは簡単。釣れません。合わせても、水中でキラッとするだけで鈎に乗って来ません。鈎先に触ってみると、一応尖っているように思えるくらいの状態。ところが爪に当ててみるとズリズリ。滑ってしまいます。「やっぱりですか。」おもむろに砥石を出して鈎研ぎします。爪にピタッとするくらいになるとバッチリ。再び釣れるようになるのです。

鈎先が鋭いとなぜ良く釣れるのか?合わせた時に刺さり易いことや深く刺さり込むこともあるとは思いますが、魚の捕食動作にも大きな要因があるのではと思います。魚が釣り鈎に付いたエサを咥える。この瞬間に合わせれば鈎掛りして釣れます。これは当然のこと。しかし魚がエサを咥えても合わせなかったとすれば、すなわちアタリを取れなかったor気が付かなかったらどうでしょう。「なんか様子がおかしいぞ。ペッ!」吐き出してしまう魚もいると思います。なまっている鈎先なら吐き出されてしまう鈎も、鈎先が鋭利なら吐き出す時に鈎が立って、吐き出されない可能性が高まると思うのです。「カッカッ。口に変な物が引っ掛かってる。」すなわち、合わせるチャンスが長くなるということです。これは長い目で見ればかなりの差になると思います。

磯や防波堤なら石やコンクリート。川なら底石や木の枝に引っ掛かったりしても傷みます。投げ釣りでは砂を掻いていますので、サンドペーパーの上を引き摺っているようなものです。いずれも鈎先は傷みます。ならばヘラブナ釣りや船釣りなどの中層の釣りは大丈夫でしょうか?鈎先の傷みだけならば、中層で釣っている限り、相当な数の魚を釣っても鈎先の傷みは極僅かだと思います。しかしこれにも落とし穴があって、新品の鈎でも必ずや鈎先が鋭利とは限りません。メーカー品でもロットによっては鈎先が甘い製品が目立つものがあって、中には25本中7本は研ぎ直しが必要だった製品もありました。これは100本100円とかのグレードではなく、45本で400円。1本あたりにすると10円くらいの平均的なグレードの鈎です。そして鈎先が鋭いあまいは鈎の値段に拠るかと言えばそうでもなく、安い鈎だから鈎先はあまいとは限らないようです。値段は高くても号数が大きい鈎は、鈎先があまいことが多い様な気がします。ですので今では新品でも全数検査。あまい鈎は研いでから使っています。

ヘラブナ釣りを中学生の頃から始めましたが、当時は鈎先が少しくらい折れても使っていました。手に全然刺さらないくらい鈎先が折れてしまうか、根掛かりして切れるまではそのまま。少し折れたくらいでは皮膚にも刺さりますし、合わせるので多少のことなら刺さり込むだろうと思っていたのですが、現実は釣れるチャンスを逃していました。鈎先の重要性を知らなかったが為ですが、研いだり交換したりして鈎先の鋭さに注意を払っていれば3割くらいは余分に釣れていたのではと思います。鈎先を鋭利に保てば釣果アップは確実ですので、是非お勧めします。なお研ぎ方は、当サイトの仕掛けのページ、【掛け鈎】の項目を参考にして頂くか、研ぎ方が載っている釣りの本をお探しください。最近の出版よりも古本の方が見つかり易いと思います。


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Yoshihiro Sogabe in Gifu 2003-11-08