第24回 シーズンの反省をしよう


もう既に竿仕舞いされた方も多いと思います。今シーズンは調子が良かったと感じている方、もうひとつパッとしなかったと思っている方。思いはいろいろでしょう。このコラムの第1回目には、釣り日記を書こうとお勧めしました。今シーズンから新たに書き始められた方も居られると思います。そこで、日記にある数値を集計してみましょう。

用意するものはノートとは別の紙を数枚。これは集計作業をスムーズにするためで、最後にノートへ貼り付けます。ルーズリーフを使っておられる方は、同じルーズリーフの用紙で結構です。罫線は引いても引かなくてもいいのですが、用意した別紙のいちばん上の行になる部分に、日付、ポイント名、釣果、実釣時間、水位、水温の順でヘッダを設定します。そして日記や記録から各項目の値を拾っていきます。月毎に集計するとよく分かるので、月変わりは3行分くらい空けておきます。全て拾い終わったら、釣果と実釣時間の月毎の合計を各月変わりの下へ計算します。その下の行へは釣行日数で割って平均値を計算します。最後に通年の値として、釣果と実釣時間の合計を全釣行日数で割った平均を計算します。集計は、Excelなどの表計算ソフトで集計しても良いですが、実感を持つ意味でも初めての場合はなるべく手作業で行うことをお勧めします。

さて、集計してみてどんな感想でしょうか?大体6月7月は良く釣れて、8月9月になると釣れなくなってくるパターンが多いと思います。ただ今シーズン(2003年)は高水続きだったので、8月の終わりからの方が好調だったかもしれません。そんな方は高水は苦手、もしくはオモリを上手く使えないといった理由も考えられます。友釣りを始めた頃は自分の場合ですと、良く釣れた日で15匹くらい。平均すると5,6匹だったように思います。それも朝から夕方までの竿出しです。時間にすると7,8時間。時間あたりの釣果は1匹にも満たなかったように記憶しています。それでも入れ掛かりの印象が強くて、まあまあの腕だと思って競技会にも出ていたのですから、今から思えば「よくやるわ」といった感じです。これはギャンブルなどではよくあるパターンだと思いますが、勝った印象が強くて上手だと思っていても、帳面に付ければ精々トントンだったみたいなこと。ヘタすればマイナス。記憶や印象は自分に都合良くなってしまいがちですが、記録による事実は正直です。

これで自分自身の客観的な評価が出来ました。そして集計した表はきちんと綴じておきます。ノートの場合は挟んでおくだけではなく、糊で貼っておいてください。また日記を読み返して、今シーズンを通しての印象や、目立って好釣果があった日や不調だった日の原因を考えてみたり、またそれの対策を立ててみたりするのも楽しいし有意義なことです。好調だった日のポイントや状況、釣り方は長所を伸ばすことに於いて特に重要だと思います。そして出来れば来シーズンの釣果目標や、技術的な課題も検討しておくと良いです。来シーズンの初めに検討するよりも、今シーズン終了時点の方がまだ余熱があるので、実感が湧きやすいからです。

こんなことを何シーズンも続けると、ブレイクスルーの糸口が見つかったり新しい発見があったりします。第一に自分自身の釣りが見えてきます。記憶や印象でなく、事実や実績を知っていることは強いこと。「釣れた、釣れなんだ」で終わらずに、せっかく日記をつけたのですから反省してみましょう。


このページはここで終わり

[戻る | Index]

Yoshihiro Sogabe in Gifu 2003-10-09