第17回 早瀬の釣り


タイトルには一応“早瀬”と書きましたが、大体、やっと歩いて渡れるくらいの瀬を言っています。個人的には、立っているのがやっとでとても渡れそうにもない瀬は荒瀬と呼ぶことにしています。今シーズン(2003年)の長良は高水続きで、嫌でも早瀬や荒瀬に竿を出さないと釣りになりません。しかしやってみるといろいろ勉強になり、少しは釣りの幅が広がったかなぁとも思います。

まずは竿。穂先が太い方が良いです。オモリ2号で1.8ミリくらいでしょうか。もうちょっと太くても良いかもしれません。竿のメーカや調子にもよると思いますが、Daiwaの場合ですと推奨オモリの半分くらいまでが適当に使えるオモリの範囲と思います。これはあくまで個人的な感想ですが例えばカタログに、0〜4号と書いてあったら2号くらいまでがまあまあ使えるかと言った感じ。0〜4号で4号のオモリも使えないことは無いだろうと思いますが、穂先が曲がってしまって既に竿が負けた状態になってしまうので釣り難いです。替え穂先が付いていれば付け替えて、2号のオモリが使えれば20センチオトリに20センチの掛かり鮎を狙うくらいなら大体間に合うと思います(ただし荒瀬は、もっと強い竿が必要と思います)。背鈎で攻めている人も見かけますが、高水の早瀬狙いではオモリで沈めて止めた方が効果的と思います。

次に水中糸。やや太めの方が操作がし易いです。ナイロンなら025か03。メタルやハイテクなら015から025くらいでしょうか。細いとオモリの沈みが早いし、太いと大きなオモリが必要なのでこれまたオモリが詰まり易いです。長さは4メートル。つまみ糸(付け糸)も太い方が良いと思います。細いとタモの中でおまつりして解くのが大変ですし、タモで受けた時に切れることもしばしば。つまみ糸を1.5号の70センチにして、ハナカンハリスを1.2号くらいにすれば鈎が底掛かりしても、腰までの深さならドライタイツを浸水させずにオトリを回収出来るので良いだろうと思ってやってみましたが、1.5号の70センチはさすがにオトリの沈みに影響しました。1号で30センチくらいならトラブル防止と沈みの折り合いがつくのではと思います(未確認)。

それと掛け鈎。使ってみて分かりましたが、ヤナギ仕掛けは底掛かりが少ないという点で早瀬に向いている感じです。錨ですとオモリが底石に噛むと、掛け鈎もついでみたいに引っ掛かる。オモリは外し易いですが、掛け鈎の底掛かりは厄介です。個人的にはオモリを使うことに抵抗が無くなったのは、ヤナギ仕掛けを使うようになって底掛かりがめっきり減ったためです。ヤナギ仕掛けは掛かりが遅いとか言われますが、実際に使ってみると背掛かりが多いのと底掛かりが少ないメリットで大変使い易い仕掛けでした。ただし掛け鈎とハリスのバランスは重要で、管付きチラシを使ったヤナギですと、鈎が小さいと浮いてしまって掛からないか身切れの連発です。早瀬の釣りですので結ぶ時は先鈎8.5号の元鈎9号ハリス1.5号。もう少し緩い瀬なら8号8.5号のハリス1.2号が良いと思います。でもオトリの回転が早い時は、錨にした方が良いと思います。またヤナギ仕掛けは錨に較べると、アタリが出てから掛かり鮎が走り出すまでの時間に倍くらいの余裕がありますので、その間に下へ降るなり竿先を下げるなりの対応がし易いです。ブスッと刺さってバレ難いこともあいまって、結果的に取り込みに余裕が生まれます。

最後に取り込み。オモリを使っている時は返し抜きで取り込めれば最高でしょうが郡上辺りでは人が多いし、水面に石が出ているポイントが多いので難しそうです。抜いて直接タモで受けると何かとトラブルし易い。ですのでトラブル防止のためには出来れば寄せで取り込んだ方が良いように思います。竿の弾力に余裕があれば、掛かり鮎を底に這わせて手前に寄せることも出来ます。掛かったら竿を水平に矯め、掛かり鮎が浮きそうになったら竿尻を持つ手を上に持ち上げるようにして穂先を水面に近付けます。徐々に手前に寄ってくるので頃合を見て水中糸を摘み、やり取りして取り込みます。

私のような者でも半シーズンそればっかりやっていれば、そこそこ出来るようになります。胸まで漬かってなどとは今のところやってみようと思いませんが、腰までの立ち込みでも流れに耐えながらのポイントですと竿が入っていないことが多いようですので、掛かりは早いです。未だ未だ探り方が至らないのか釣果には現れていませんが、たとえ高水でも竿を出す場所が無いと、顔色を曇らせることは無くなりました。それに面白いので正直なところ、はまってしまっています。


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Yoshihiro Sogabe in Gifu 2003-08-24