以前、お伝えした川見の技術で忘れていたことがありました。それはにごりと水位です。
にごりについては「膝まで入って、足先が見えれば釣りになる」といわれていますが、大体そんな感じの目安だと思います。かなり以前ですが、未だにごり始めのときに赤濁りでしたが暫く釣れ続いた経験があります。郡上白鳥の北農付近だったと思いますが、濁りで足元が見えないので、移動するにも深みに嵌り込まないかとハラハラした覚えがあります。赤濁りでわざわざ竿出しすることはないだろうと思いますが、一応釣れることもあるといった感じです。
さて、濁りも収まって来て竿出ししたい。でも濁りは未だやや強そう。川に着くと釣り人は誰もいないので釣りになるのかどうか判断に迷う・・・。そんなときの基準。“川に青みがあるか”です。少しでも青っぽく見えれば釣りになる。これを教えて頂いてからは迷うことが無くなりました。逆に濁り始めの時は、川が黄緑色か黄土色に見えてきて釣れていなかったら竿をたたむことにしています。
次に水位ですが、かつては新聞などの釣り情報に「平水」とか「10センチ減」とか書いてあるのを読んで、「なんで分かるの」と思っていました。これが分かるようになったのは釣り日記を書くようになってからです。日記にその日の水位を思った値で書いておく。続けていると時々自分が竿出しした日の水位が載ります。最初は見当違いのことが多かったのですが、だんだん当たるようになってきます。そしてついにはおおよその水位が分かるようになります。初めて訪れた川でもまず大丈夫。ぱっと見れば大体分かりますし、ほとんど間違えません。
水位の判断は感覚(感じ)ですので伝え難いのですが、言葉にすれば+30センチ増水は「かなり孟しい(たけしい:荒々しい)」感じ。平水は「落ち着いている。」−30センチ渇水は「かなり枯れた」感じです。この間を10センチもしくは5センチ間隔で見当をつけて判断しています。更に増水時にはこの“孟しい”感じを基に水位を推し測るのですが、+150センチくらいまではいい線で見当がつきます。渇水していたときに少し雨が降って、10〜20センチくらい増水すると白い石の線が残って見えますが、これを見て水位を判断しようとすると惑わされて、かえって間違えます。やはりいつでも川から受ける感じを頼りに判断したほうが正確と思っています。
しかし水位の見当をつけて仕掛けをセッティングしても、結局のところ野鮎がどう感じているかが問題なので、実際にオトリを泳がせて掛けてみなければ分からないことがしばしばあります。渇水と思ったのに増水時の釣り方のほうが良かったり、平水と思ったのに既に野鮎は渇水の気持ちらしかったり。やはり「鮎のことは鮎に訊け」ですね。