6月10日(火)付けの中日スポーツ紙の郡上の解禁報道に、“漁協は今季、群馬産鮎1500キロを、他の稚アユと混合し、全域に分散放流した。(中略)『群馬産といえど、1割程度の混合放流では効果がないのだろうか」と漁協。”とありました。この漁協のコメントからは、先シーズンほどでないにしろ群馬ブレイクを期待されたように思われます。ものごとで1割といえば「ちょっと」という感覚。それ相応のインパクを得ようと思えば3割ぐらいは欲しいところでしょう。私は群馬産を、解禁数日後から7月に入るまでの時期でも良く掛かるようにと、つなぎの目的で全域に放流したのだろうと思っていたのですが、どうも違っていたようです。
郡上漁協が群馬産の種苗を導入したのは2002年から。100匹を越す釣果が出るなどかなりの人気でした。しかし見た目が不恰好とか食べても味がもうひとつとかいった評判もあり、群馬産の商品価値は低かったのも事実。長良川の鮎は「郡上鮎」のブランドを持つ、食べる上での商品力を必要とするので、群馬産を大量に放流することもままならないとは思います。
しかし、今シーズンは群馬産に加え、県種苗センターで生産された湖産系の稚鮎も放流されています。群馬産の影になって話題に上ってきませんが、県産の湖産系種苗が良い成果を上げることも考えられます。
今シーズンの郡上の解禁はマイナス30センチの渇水で、真夏並の渇水でした。難しい状況での解禁だったと思います。群馬産を導入して2年目ですし、商品価値は低いが釣り人には人気がある種苗をどのように放流すればよいのか。湖産系種苗を含め、長良川に適した運用方法を早く見つけられることを期待します。今のところは郡上漁協の群馬産への期待は少なからず外れているようです。